自分で食べ物を作るで、まず筆頭に挙げられるのは野菜を育てる家庭菜園ですよね。
あとは養鶏などの畜産や養殖漁業、狩猟なんてのも考えられます。
でもおそらく、自分で自分の食べ物を完全に賄っている人なんて、多分ほんの一握りくらいしかいません。
その理由を一言でいえば、自分で賄うほうが、圧倒的にお金と労力がかかるからです。
キングオブ買った方が安い
でもだからといってしょうがないねで片付けてしまっては、永遠に自給できません。
ましてや食べ物は生命活動の根幹をなす非常に大切なモノです。
食べ物を適当にしてしまうと結果的にものすごくお金かかるよ
健康・医療に深く繋がっていくんだ
今回は、まず買ったほうが安くなっちゃうのはなぜなのか?どんな仕組みになっているのかを栽培・農耕の部分からハッキリさせて、次の記事に繋げたいと思います。
めちゃくちゃにお金がかかる家庭菜園
まずは、一般的な家庭菜園でその都度必要とされている消耗品だけを挙げてみます。
- 堆肥
- 肥料
- 土(赤玉土や黒土など)
- 石灰等の土質調整材
- 除草剤
- 防虫剤
- 防虫網
- 鳥避け(糸とかカカシとか)
- 動物避け(柵とか)
- 苗作るならポットやセルトレイ
- ビニールマルチ
- 麻紐等
- 軍手や靴下・長靴(ものすごく汚れるので意外と消耗品)
けっこういろいろ使うんだね
鎌とか鍬とかずっと使い続ける道具を除いて、消耗品をざっとあげるだけでこれくらいになっちゃう。しかも大抵使い切らない
この辺を揃えて家庭菜園をすると、間違いなく直接買った方が安くなります。
生産者さんに感謝しよう
でもなんで作った方が高くなっちゃうんだろう?農家さんはかかる費用よりも安い値段で売ってるってこと?
農業は単一栽培大量生産
トマトだけを作るなら、トマト用の農薬や肥料を用意すれば良いだけです。
ウリ科やナス科やマメ科アブラナ科など、たくさんの種類のモノを少量ずつ作るのでは、資材もいろいろの種類のモノを用意する必要があるうえに、種類が増えるほど効率よく使い切るのが難しくなります。
必要な機械も、扱う品目が多ければ多いほど増えてきます。
同じ広さで同じくらいの量を収穫するのであれば、必要な機械は少なければ少ないほど経費が減ります。
基本的に農業が機械や資材を使っても黒字にできるのは、単一のモノを大量に作るからです。
単一栽培大量生産が基本
家庭菜園のノウハウは農業のコピー&ペースト
にもかかわらず、家庭菜園で、1鉢で育てるトマトの育て方の紹介はほぼ農業のそれと同じです。
なぜかと言えば、えーとなぜなんでしょう?
おそらく、一つは、本当の本当にその育て方しか絶対にない、と考えてしまっている。
もう一つは、ほぼ確実に育てられるやり方を紹介しないとクレームがくるからでしょう。
スーパーで売ってるやつみたいな形や大きさに全然育たねーじゃねーか!みたいにね
売ってるヤツはドーピングにドーピングを重ねているからね
だから、生産コスト度外視であることは理解していたとしても、基本的に農業のための学問である農学をもとに、ほぼ確実に育てられるやり方しか紹介できないんですね。
多くの人は農学のやり方でしか野菜は作れないという固定概念になっちゃってるし、そうじゃないひとも不確実性の高いことはわざわざ言わない
結果、無難な、多数派の意見に同調しちゃうわけね
でもこれでは、お金を払って自分で作るという体験(苦労)を買っているようなもの。
どう頑張ったところで、自給自足はできません。
お金をかけずに家庭菜園で食べ物を育てるには、農業とは別物と捉え、全く違うやり方でないと成立させることは難しいんですね。
じゃあどうする?
家庭菜園は文字通り、家族の食べるモノを育てる菜園です。
よって必然的に、少量多品目栽培となります。
さらに、農業は一定の広さでどれだけたくさん作るかが重要ですが、家庭菜園は、いかにお金と手間をかけずに日々の食糧を得るかが重要であって、必ずしも大量に作るためではありません。
お店で肥料を買って使い、プロのようにたくさん実らせても、食べきれなければ腐らせてしまいます。
そうなってしまっては、腐った野菜を作るためにわざわざお金を使っているようなものです。
まさに本末転倒
極端な話、手間とお金が一切かからなければ、全く実らなくても良いはずです。
ここが考え方の出発点で、あとは少しずつ手間とお金をかけていって、自分たちが十分なペースで食べ切れるだけ作れる自給自足たりえる分岐点がどこにあるかを探っていく、が家庭菜園でメインミッションとなります。
作ったけど食べきれずに収穫期を逃してそのまま…って人がとっても多い
絶対おさえるべき二つの基準
買うよりも安くするためには、至ってシンプルな二つの原則からスタートします。
【自然現象になるべく逆らわない】
【そこにあるモノを使う】
これだけです。
具体的には、肥料や農薬などもちろん、なるべく支柱やビニールなどの資材も使わないことです。
自然をみれば、人が手を加えてるわけでもなく勝手に育っている植物がいます。
え、マジで?
雑草のこと
これはなぜ?を、雑草だから当たり前だと決めつけずにキチンと向き合わないとダメです。
自然の中で育つ植物のように、勝手に野菜が育ってくれれば一番良いわけです。これは自然の中でなにかが作用しているからそうなっているので、それを理解し、最大限に利用するというところから家庭菜園は始めなければなりません。
その自然のメカニズムの詳細は別記事で!
終わりに
生き物が植物を食べるのはなぜかを考えたことはありますか?
生き物が生きていくためには、栄養を摂ることが欠かせません。
その栄養は、大局的に、土に蓄積されます。
しかし、人間を始め、ほとんどの動物は、直接土を食べることはできません。
植物は、大地の栄養分をちょうど良い具合で集めてくれる(もちろん植物自身が生きるためにそうするのですが)から、生き物は植物を食べるのです。
言い換えれば、本来は、植物を通して、大地の栄養素を得ている。
けれど、今お店で売られている野菜の中にあるのは大地の栄養ではありません。
「売れるモノを作らないといけない」と、「食べれるモノができれば良い」
似たような言葉ですが、全然違います。
農業は売れるモノを作らないといけませんが、家庭菜園は自分が食べれるモノを作れば良いだけです。
この違いが育成方法の違いにそのまま現れます。
まず初めに、農業と家庭菜園では似ているようで目的が全然違うこと、そして、情報として溢れている作物の育て方は現在の農業をベースにしていること、この二つをおさえてください。
これが分からないと、「買ったほうが安い」から抜け出せません。
同じ種からでも農業と家庭菜園からではできる野菜の形や大きさや色が全く違うモノになるでしょう。
同じ種でも農業ではキャベツが…。家庭菜園ではピーマンができることもあるわけか…。
違うよ!Σ(・□・;)
せっかく目的が全く違うのですから、家庭菜園はお金をかけずに、本来の目的である大地の栄養をいただく方向でやりましょう。
最後まで読んでくれてありがとう!
またね!
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