今回は家具や生活用品を作るにあたって、自分にとっての良いモノを作るために、ここを押さえておいた方が良いかなと思っていることをまとめてみました。
この記事が、どんなモノをどんなカタチで作るかを考える、家具製作の一助になれれば幸いです。
まずは現状を知る
不用品をやり取りするジモティをみると、日々いろんなアイテムが有償無償混在で出品されてます。
このお金を取るか取らないかは個人の事情が絡んでくることはもちろんですが、それを踏まえても圧倒的に無料で譲られることが多いアイテムがあります。
それはタンスや棚やダイニングテーブルなどといった、大型家具です。
本来であれば、大型家具はピンキリだとしても総じて高価なモノ。
それがなぜほとんどタダ同然で出品されるのか。
この辺から考えてみましょう。
選ぶ順序が家だけ違う
誰もが、服は体型に合わせて買いますよね。
バッグも、中になにを入れるかを基準にして選ぶと思います。
基本的に、何か入れ物を買う時、人はその外側よりも、入れる予定の中身を優先させて選択します。
なのに家だけは、入れるためのスペースの方が先に決まってしまっています。
そうではないでしょうか。
規格が決まっていないと安く大量生産ができないからね
やっぱり低価格が一番望まれているから、「使う人の生活」よりも「コストをかけずに作る」ことのほうが優先
なので多くの、ほぼ全ての人が住居を変更する時に住居スペースをゼロから選べません。
どうしたって希望エリアにある建物の中から選び、そこに家具を合わせて(詰め込んで)いくしかないのです。
昔はまだ、一軒一軒の敷地が比較的広かった上にモノを大量に消費する時代ではなかったのでそこまでシビアではありませんでしたが、高度経済成長で人口も増え、都市部では特に家の敷地というのはどんどん狭くなっていきました。
…にもかかわらず、当時人は自分の住処の部屋の数をとてもとても重要視しました。
ウチは◯LDKだよ!ということで、ドヤったんですね。
今も家賃相場って部屋数が一つの基準だったりするよね
そんな顧客のニーズに応えるため、結果都市部では一部屋がとても狭い家がたくさん建てられました。
働き方、生き方が激変中の世の中ですが、住まいに関しては一昔前の考えの建物が残り続けています。取り壊すにも莫大な費用がかかるので、これらを失くさずにどう活かすかが課題となっているくらいで、まだまだ、狭いスペースで区切られた家での生活が続く人が多いと予想されます。
小さいアイテムなら引っ越し先でも繰り返し使えるのですが、棚やタンスやダイニングテーブルなどは、間取りが変わることによってほとんどの場合そっくりそのまま配置できなくなります。
多くの大型家具は、引っ越すと使えなくなってしまう可能性が高いんです。
となると、必然的に何かを入れ替える必要がでてきて…。
今あるもののどれかは捨てるしかない。
捨てるにもお金かかる。
どうせなら…。
というわけで、大型家具は無料で出品されることが多いのではないかというのが当サイトの考察ですが、もしこれが当たらずとも遠からずであれば、この辺からこれからの家具のあり方の一つの形が見えてくると思います。
長く使い続けられる家具の要素3つ
6080プロジェクトでは、お金をかけずに生きるが一つのテーマですが、具体的にお金をかけないための条件は以下の3つだと考えています。
- 自然のコトワリになるべく逆らわない
- 今あるモノを使っていく
- 一つのモノを長く使う
今回のお話では、この中で「一つのモノを長く使う」が深く関わってきます。
ズバリ、これからの家具は、状況が変わってもどれだけそのまま使い続けられるか、が重要になります。
そんな基準で考えると浮かび上がってきた3つの要素がこちら
可変、意味変、折りたたみ。一つずつ見ていこう
カタチを変えられる
収納に関してとても素敵な商品がこちら。
案件ではございません!
シンプルな箱を組み合わせて収納スペースを自分で創り上げる。
これならどんな間取りでも自由度は跳ね上がります。
よって、住まいを変える必要がでても、単なる収納棚よりも再利用できる可能性が高まります。
また、『杉でつくる家具』を彷彿とさせるほどシンプル。とっても再現性が高いですよね。
それなのに極限まで考え抜かれたことが伺えるサイズ。勉強になります。
パクって販売しちゃダメだよ
どんな木材でもできるでしょうが、こちらの商品も現在の問題解決につなぐために「杉」を使っています。
この杉を使うということが、「今あるモノを使っていく」という要素にもなってるね!
自分で作るつもりがない人は、ぜひこちらから購入して、末永く愛用してください!
意味を重ねる
モバイルハウスというのをご存知ですか?
軽トラの荷台スペースに小さな家を自作して、移動しながら暮らせる住まいです。
キャンピングカーのDIY版みたいなヤツ?
そんな感じ
当然スペースは軽トラの荷台くらいになります。
このモバイルハウスに住んでいる人が言ったことで、個人的にとても印象に残っているメッセージがあります。
「限られたスペースの中で、如何に一つのアイテムに意味(機能)を一つでも多くこめられるかどうかが重要」
つまり、普通であればAというアイテムはBという用途でしか使わないけど、それよりも、Bとして使えた上Cとしても使えるほうが良いし、さらにDとしても使えたらなお良い、ってことです。
これは長く使い続けるという目的でも当てはまりそうです。
長い人生の中では自身の年齢や家族構成や環境によって生活って変わるものです。
BとCという機能があるアイテムがあって、どちらも利用していたけれど状況の変化でBは使用しなくなったとしても、Cとして利用できていればそのまま使い続けられます。
さらに状況が変化してCを使わなくなったけど再びBを使う様になった、となるかもしれません。
意味が多くあればあるほど、使い続けられる可能性が高まります。
見てくれは悪いけど
自作したこの謎の物体。家の建築ででた余り材を無料でもらって作りました。
柱の切れ端をまとめて板でくっつけたモノですが、これは、
ミニ作業台になりますし、
グリーンウッドワークのハツリ台になります。
オマケ程度ですが、イスにもなるし踏み台としても使えます。
持ち運びできるギリギリの大きさと重さ。場所が固定されず家具製作とグリーンウッドワークの両方で使える
本格的な作業台と別でこんなのあると便利
折りたたむ
前述したとおり、日本の部屋は一つ一つが狭い傾向にあります。
今現在は間取りをキッチリ区切らないことがトレンドになっているので、今後新しく建てられる個人の注文住宅はそうとは限らない
けど、ぶっちぎりでマイノリティ
なので、使わない時は折りたたむ等でコンパクトになればスペースを有効に使えるので有利です。
また家具によっては折りたためればそのままキャンプとかでも使えますので、意味を重ねる効果も期待できます。
まとめ
今回の記事で重要なことを簡単に振り返りますと、このようになります。
お金をかけないためには「今ある(余っている)素材を使うこと」「一つのモノを使い続けること」が重要です。
それを家具に落とし込むと、「可変」「意味変」「折りたたむ」あたりが有効になってくるのではないか。
この辺りを参考に考えてみると、良い家具のアイデアが生まれるかもしれません。
最後まで読んでくれてありがとう!
またね!
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